switch9’s blog

地球のみなさん、こんにちは

祭りの由来を誰も知らない、という話 (Like A Rolling Stone / Bob Dylan)

 本日の1曲は、Bob DylanのLike A Rolling Stoneです。

 

 日本各地いろんな祭りとか風習がありますけど、なんでやるようになったかとか、どういう意味があるのか、わかんないままやってる事って意外と多いように思うんですね。ずっと続いてるし、去年もこのやり方だったし、あのじいさんがあってるっていうんだからあってるんだろうっていう感じで。フンドシ姿で水掛け祭りとか、顔に墨塗ったりとか、いや、あってんだろうけど、なんで墨塗られてんのかよくわかんないみたいな。とりあえず続けとくかっていうノリみたいな。

 

 なんでそんな話するかというとですね、こないだノーベル文学賞が発表になって、今年はまさかのボブ・ディランということで。選考委員はどんな球投げてくるんだろうってミット構えてたら、横から山手線突っ込んできたみたいな、いやほんとまさかの人選でね。発表になったあとも、全然連絡つかねえわ、先約あって授賞式行けねえとか言うわでニュースになってますけど、日本国内だと「今年も村上春樹受賞逃す!」のほうが大きく報道されちゃってて。どっかのバーみたいなとこに集まってるファンの人たち、ハルキストっていうんですか、とかもインタビューされて「残念ですけどきっと来年は」とか言っちゃってて。

 

 多分あの人たち、来年も集まると思うんですね。で、やっぱり受賞できなくて、再来年も集まって、その次の年も集まって、ずーっとやってると思うんですよ。で、村上春樹が亡くなっても、「せっかくだし今年は集まろうよ」とか言って秋になったらバーに集合して、で、「一年に一度の事なんだから来年もどう?」とか誰か言い出したりしたら、多分その先もずーーっと続くと思うんですね。

 で、最初に集まってた人達も死んじゃって、いい加減終わるタイミングなのに、周辺住民とかが「せっかく続いた集まりなので私達で受け継いでいこうと思います」とかわけの分かんないこと言い出して、多分、ノーベル賞すら廃止になったあとも、一年に一回「ノーベルさんノーベルさん」とか輪になって言うようになって、もうそこまで行ったら風習ですよね。たぶん今から200年後ぐらい。で、「ノーベルさんとはどういう意味なんですか?」とか他所の人に聞かれても、もう誰も全然由来がわかってない。

 たまにやらない年とかにかぎって、災害とか起こって、「ムラカミ様のたたりじゃ、ノーベル祭りをせんかったせいじゃ」とか爺がさわぎだすっていう。

 

 そんなのまっぴらごめんだって言う人はですね、ぜひとも「来年こそは村上春樹ノーベル賞取れると思う」って猛プッシュして、受賞できるよう祈ってあげて下さい。ムラカミ様のたたりは恐ろしいですぜ。

 


Like a Rolling Stone - Bob Dylan

ノーベル賞でつかむ現代科学 (岩波ジュニア新書)

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