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switch9’s blog

地球のみなさん、こんにちは

釣り番組は面白い(私は釣りに興味が無いにもかかわらず)

 ヒマな時、テレビの番組も特になんも見るものがないときは、釣り番組を時々見る。

 これが違う意味で面白い。

 

 まず、出演しているプロ(だと思う)釣り人が毎回、ほぼ全員、おっさんである。それもだいたいが、ちょっと頑張った感じの風体のおっさんである。髪の毛は暗い目の茶髪が多い。しゅっとしたおっさんはまず出てこないし、オトコマエの若者に出会えることは奇跡に近い確率である。海でイカを釣ろうが、ダム湖ブラックバスを釣ろうがそんなことは出演するおっさんの種類には関係がない。どんな種類の魚を釣るプロであっても、おっさんばかりなのだ。ポケットがいっぱいのベストを着用したおっさんが出演する、それが釣り番組だ。ちなみにおっさんはよくしゃべる。釣りと魚についてよく喋る。好きで好きで仕方ないんだろう。

 

 そんなおっさんが、自分の釣り道具と仕掛けについて事細かに説明してくれるのだが、私は釣り番組が好きなのであって、釣りには全く興味が無いので、何を説明してくれているのかまるでわからない。しかし、それが逆に楽しい。自動車の番組で「排気量が」とか、スーノボードの番組で「ビンディングが」とか、色々説明されたらそれなりには理解できるが、竿の長さや、餌の種類について、事細かに説明してくれても、私には全然わからない(どうやらかなり奥が深いらしいことはなんとなく理解できる)。でも、それが自分の知らない世界に足を踏み入れている感じがして面白い。世の中にはまだまだ知らないことのほうが多いのだ。

 

 そしてもっとも驚くべきは、プロのおっさん釣り人は、プロなのに、あまり釣果が芳しくない。「そんなことでいいのか?」「プロなのに0匹で番組が成立するのか」「プロとは何なのか」と頭にいくつもの疑問が浮かぶが、想像している以上に、一匹も釣れない回が多いし、釣れてもサイズが小さかったり、狙っていた魚と違う種類の魚ばかりが釣れる(それはこだわる釣り人にとって良い結果ではないようだ)ことが多い。というかほぼそんな感じで終わる。それが釣りなのだろうか? 釣れないのなら、わざわざプロでなくてもアマに出演させても同じなのではないか? というかさっきの道具と仕掛けの説明は、釣れない道具の仕掛けの説明だったのか、それでいいのか。

 

 ボートで湖に出て釣るとか、堤防から釣るとかは趣味の釣りのスタイルとして想像できるが、プロは違う。1日半ぐらい、岩の無人島の崖の足場1mぐらいの場所に張り付いて、延々と釣り続ける。さすがプロだ。私にはそんなことは到底できない。立ったまま釣り続け、釣りながらインスタントラーメンをすすり、アタリを待ち続ける。一般人には苦行にしか見えないが、釣りを愛する人にとってはそれは最高の、至福の時間なのだろう。スノーボーダーが雪山をハイクアップするように、幸せの形とは人それぞれ違うことを、プロは体を持って教えてくれる。

 

 そんな過酷な環境で夜を明かし、結局、狙った魚は1匹も釣れなかったが、プロは楽しそうだった。さすがプロだと思った。だからプロなんだと思った。

 

 そして、窪田等のナレーションは相変わらずいい声である。